子どもは誰の扶養にすると節税?16歳未満の年少扶養控除と住民税非課税の関係

スポンサーリンク

子どもを「妻の扶養」にしたら住民税がなくなった理由

毎年10月~11月頃になると、年末調整で勤め先から「給与所得者の扶養控除等の(異動)申告」 というものをもらって、家族の名前や年齢を書きます。

16歳未満のお子さんがいる方は、1番下の欄にお子さんの名前を書いていると思います。

マルフ22

平成28年分で16歳未満に該当するのは、「平成13年1月2日以後生まれ」のお子さんです(年末時点の年齢で判定のため)。

この欄は、「所得税」についてだけ言えば、書いても書かなくても何の意味もありません。

しかし、「住民税」の計算においては、天と地ほどの差が出てくる場合があります。

ここに、年収500万円の夫と、年収180万円の妻がいました。

子どもは5歳と3歳です。

昨年までは、年末調整のときに「夫」の扶養として1番下の欄に書いていました。

夫の扶養

しかし、今年はうっかり間違えて、「妻」の扶養として1番下の欄に書きました。

妻の扶養

・・・すると、翌年6月の給与明細を見てびっくり。

妻の住民税が「0円」になっていました。

なぜでしょうか?

答えは、住民税が課税されるかどうか判断するときに、「16歳未満の扶養親族の数」も含めて考えるからです。

この記事では、そんな住民税のカラクリをご紹介します。

そもそも「16歳未満の扶養親族」をなぜ書くのか?

所得税では、昔、税制改正で扶養控除が改悪された結果、16歳未満の子どもがいても、扶養控除ができなくなりました。

【16歳未満の扶養親族】

平成28年分:平成13年1月2日以後生まれ

扶養控除の対象は、16歳以上に限られます。

子どもが小さい方は、きっと、この欄にお子さんの名前を書いているかと思います。

しかも「夫」の方で。

マルフ22

実はこの欄は、「住民税に関する事項」とあるように、住民税の計算のときだけ関係がある情報です。

例えば、夫・年収500万円(所得346万円)、妻・年収180万円(所得108万円)で、16歳未満の子ども(5歳と3歳)が2人いるとします。社会保険料控除などは無視します。

このとき、子ども2人を夫の扶養に入れようが、妻の扶養に入れようが、「夫」の所得税にも住民税にも影響はありません

たいていの方は、「夫」の扶養に入れることでしょう。

しかし、「妻の住民税」は、夫の扶養に入れるのか、妻の扶養に入れるのかで、結果が異なります。

それぞれ、試しに計算してみましょう。

例1:子ども2人を「夫の扶養」にした場合の「妻の住民税」

夫の扶養

住民税には所得割と均等割というものがありますが、所得割の税率は10%、均等割は一律4千円で扶養の有無に関係なく金額は変わらない(厳密には市町村によって少し異なります)前提で、住民税の所得割だけ比較します。

妻の住民税(所得割)

180万円-72万円(給与所得控除)=108万円(所得)

108万円(所得)-33万円(住民税の基礎控除)=75万円

75万円×10%(税率)=7.5万円

例2:子ども2人を「妻の扶養」にした場合の「妻の住民税」

妻の扶養

妻の住民税(所得割)
0円

いかがですか??

夫の扶養に入れたら住民税が7万5千円で、妻の扶養に入れたら0円です。

「住民税」は非課税基準がある!

住民税の所得割には、扶養にしている人の数に応じて、一定金額が非課税になる取扱いがあります(市町村によって異なることがあります。均等割もありますが、もともと均等割自体が少ないので、説明は割愛します)。

多くの市町村で採用されているのが、

【扶養0人】

35万円

【扶養1人以上】

35万円×(1+扶養人数)+32万円

という計算式です。

この範囲に所得が収まると、住民税が非課税になるという所得税にはないルールがあります。

住民税所得割非課税限度額

そして、重要なのは、この扶養人数に、16歳未満の子供も含めていいとなっている点です。

【扶養人数と非課税の関係】
0人:所得35万円まで
→年収換算で100万円以下まで非課税

1人:35万円×(1+1)+32万円=所得102万円まで
年収換算で170万円以下まで非課税

2人:35万円×(1+2)+32万円=所得137万円まで
年収換算で221万円以下まで非課税

3人:35万円×(1+3)+32万円=所得172万円まで
年収換算で271万円以下まで非課税

※年収は給料のみの場合の目安です。

※所得の基準は市町村によって微妙に異なる場合がありますのでご確認ください。

今回は年収180万円の「妻」の扶養人数に子ども2人を入れたので、年収221万円(所得137万円)まで個人住民税の所得割は非課税だったというわけです。

夫の扶養にしている場合は、扶養人数0人なので、100万円を超えているため、住民税がふつうに課税されています。

しかし、夫の方は年収500万円ですから、扶養人数2人にしても221万円を超えているので住民税では何の意味がありません。

でも、「妻の住民税」は大違いなのです。

税金と社会保険の扶養は無関係

さて、こういう話をすると、必ず出てくるのが、健康保険の扶養なのですが、夫と妻でそれぞれ別の健康保険に入っているとしても、全く関係ありません。

勤め先の給与計算を担当する人に相談すると、「子どもを扶養にするなら税金と健康保険も両方一致しないと困ります」と言われますが・・・一致する必要はないので、この指摘は間違ってます。

ただ、間違ってますが、社内ルールでそうされるとどうしようもないので、確定申告をして妻の扶養にしている方も中にはいたりします。

この裏ワザの注意点

まず、「そもそも夫の方が収入が多いのに、妻の扶養にしていいのか?」と人によってはそういうことをいうかもしれませんね。

反論するなら、共働きなら夫婦でお金を出し合っているので、どちらか一方が1人で扶養しているわけではない」あたりでしょうかね。

・・・ただ、私は育児休業中ですが、私の扶養にしていいですか?と聞かれると、事実上はできるのですが、微妙ですね。う~ん。微妙です。

さて、この裏ワザを使ってはいけない場合もご紹介しておきましょう。

1:夫の勤め先で手当てが出る場合

実際のところ、問題が起こるのは、夫の勤め先で家族手当・扶養手当のようなものが出ている場合です。

つまり、扶養から外すと手当がもらえなくなる場合があります。

よく確認しましょう。

2:夫婦2人とも年収300万円以上の場合

扶養人数が4人以上必要になるのでハードルが高くなります。

つまり、たいていどちらも住民税は非課税にならないので、どっちの扶養にしても同じです。

3:16歳未満でも子供が「障害者控除」の対象となるとき

「所得税」でも「住民税」でも障害者控除ができるため、年収が多い方の扶養とした方が良いケースです。

4:「保育料」に影響がある場合

取扱いが難しいのが保育料ですね。

市町村によってバラバラなのですが、意外と16歳未満の子どもも扶養として計算して金額を決めていて、旦那様の扶養にしておいた方が保育料が少なくてすむ可能性もあるのでご注意ください。

ちなみに我が家のように、夫婦の住民税の合計で保育料が決まるような市町村では、住民税を減らした方がいいので、

まあこれは、保育料の計算の条件をよくご確認ください。

5:児童手当などの所得制限

年収が高い方は、児童手当の所得制限を計算するときの「扶養親族等の数」に含まれる場合があるので含めた方が有利な場合もあります。

特に年収875万円以上の方は注意ですね。

児童手当所得制限

6:社会保険への影響

「健康保険の扶養」は、「税金の扶養」と別世界だと書きましたが、健康保険を含めた社会保険への影響は、その方が加入しているものによって条件が異なります。

特に自営業の方はご注意ください。

社会保険については私もローカルルールが多すぎて、ハッキリこうだと言えません。

最後に

このように、住民税だけを見れば大きな違いなありますが、ほかの制度で影響が出る場合があります。

そのため、最終的には「絶対、住民税が非課税になります!」って言えないんですね。

また、この方法は、市町村によっては、「収入が高い方の扶養にすべき」といって強制的に変更させるところも今後、出てくるかもしれません。

実際に行う場合には、よく他の制度も調べて、自己責任でお願いします。

最後に、この記事を書くにあたって参考にさせていただいた記事をご紹介します。

参考になった記事

夫婦共働きです。夫は自営のため確定申告、妻は会社員のため年末調整を行いますが、子供2人(8歳、3歳)をどちらの扶養に

年少扶養控除廃止と住民税の非課税制度(PDF注意)

共働き夫婦の扶養親族 年少扶養はどちらにつける?

ちなみに、扶養の変更のタイムリミットは確定申告期限までですので、平成28年分は平成29年3月15日までです。

3月16日以降は、事実上、扶養は固定されるので、その年の分は変更できないと思った方が良いと思います。

注意:この記事のコメント欄は、例外的に閉じます。

何かあればお問い合わせよりお願いいたします。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう