2017/10/308 Shares

「所得の見積額」に年収を書くのはバツ!正しい計算方法と書き方をご紹介

所得の見積額は「65万円」を引いてますか?
年末調整の時期になると、勤め先から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が2枚渡されます。

1枚目は、平成29年分の扶養控除申告書です。

h29扶養控除申告書

2枚目は、平成30年分の扶養控除申告書です。

h30扶養控除申告書

様式は少し異なりますが、2枚とも共通して年末調整で多くの人が間違えているのが「所得の見積額」です。

所得の見積額

結論から言えば、パートやアルバイトのような「給料」をもらう場合、年収から65万円を引いた金額を書くことになりますが、多くの方が65万円を引かずに「年収そのもの」を書いてしまっている人が多いです。

この記事では、「所得の見積額」の正しい書き方をご紹介します。

「所得の見積額」を正しく書く必要性

年末調整で「所得の見積額」を書くのは次の所得控除です。

  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除
  • 寡夫控除

なぜ所得の見積額を書くのかというと、ある一定の所得を超えるとその制度が使えないという所得制限があるからです。

例えば配偶者控除を受ける人は、平成29年分も平成30年分も所得38万円以下であることが条件になっています。

そのことを判断するために、年末調整の書類では、「所得の見積額」を書かせます。

h29扶養控除申告書4

給料をもらっている人は、「給与所得控除」という必要経費が認めらていて、これは年収に応じて機械的に決まります。

それが、最低65万円認められるため、所得38万円以下の人というのは、

給与年収103万円-給与所得控除65万円=所得38万円

ということで、給与年収103万円以下の人となります(いわゆる「103万円の壁」)。

しかし、「平成29年中の所得の見積額」に「103万」円と書いてしまったらどうでしょうか。

勤め先の人は、「この人は所得38万円を超えているので、配偶者控除は使えないな」と判断してしまう恐れがあります。

したがって、正しく書く必要があるのです。

平成29年分の扶養控除申告書は慎重に!

h29扶養控除申告書

ポイント1:共働き夫婦は産休・育児休業中に注意

平成29年分の扶養控除申告書は今回の年末調整にダイレクトに影響するので慎重に書きましょう。

前提として、

  • 夫:田中一郎さん
  • 妻:田中花子さん

とします。

そして、田中花子さんは平成29年3月から産休・育休に入り、平成30年中に復帰予定です。

共働きで今まで配偶者控除を使ってこなかったかもしれませんが、花子さんの平成29年分の給与年収は45万円(1月と2月の給与のみ)で給与年収103万円以下のため、田中一郎さんの方で配偶者控除を受けることが可能となります。

この点、忘れてしまう人が多いので、ご注意ください。

詳細は、「共働きでも配偶者控除は使えるの?産休・育児休業中は節税のチャンス!」で説明しているので、お時間があるときにでもお読みください。

ポイント2:「今年の見込み」の「所得」を書く

さて、田中一郎さんがもらってきた平成29年分の扶養控除申告書には、どのように書けばいいのでしょうか?

「控除対象配偶者」の欄に田中花子さんの情報を書きますが、今回のテーマである「所得の見積額」には、「花子さんの所得」を書きます。

所得とは、年収でも収入のことでもありません。

年収から「給与所得控除(最低65万円)」を引いた金額となります。

  • 給与年収65万円以下⇒所得0円(マイナスではない)
  • 給与年収70万円⇒所得5万円
  • 給与年収80万円⇒所得15万円
  • 給与年収90万円⇒所得25万円
  • 給与年収100万円⇒所得35万円
  • 給与年収103万円⇒所得38万円
  • 給与年収110万円⇒所得45万円
  • 給与年収120万円⇒所得55万円
  • 給与年収130万円⇒所得65万円
  • 給与年収140万円⇒所得75万円

ポイント3:基礎控除38万円は控除しません!

38万円といえば、「基礎控除」を思い浮かべる方もいるかもしれません。

実は、配偶者控除などの判定の際に、基礎控除は控除しません。

もっといえば、生命保険料控除も社会保険料控除も医療費控除も全部関係ありません。

配偶者控除は給与所得控除をした後の所得が38万円以下の場合に、配偶者特別控除は所得が71万円以下の場合に使えます(平成29年分)。

ポイント4:既に書いてあっても修正してOKです。

さて、平成29年分の扶養控除申告書は、昨年も同じところに勤めてる場合も、今年現在の勤め先に入社したとしても入社時にこの書類を書いている場合も、既に情報が書き込まれていると思います。

しかし、その後、状況が変わる可能性もあるため、再び確認のために年末調整の書類として渡されるのです。

この場合は、既に書いてある時に2重線を引いて、書き直しましょう

(例)

給与年収103万円の見込みなので所得の見積額を「103万円」と書いた

二重線で消して給与所得控除65万円を控除した「38万円」を記載

このとき、訂正印を押すかどうかは、勤め先からの指示に従ってください。

なお、経験上、1番下の欄に「0歳」の子どもの名前がある場合には、きっと産休や育児休業で奥様は休んだんだろうなと思って、この所得の見積額が正しい金額かと疑います。

たいてい、間違えてそのままになっていることが多いので注意しましょう。

平成30年分の扶養控除申告書は制度の見直しに注意

さて、もう1枚、扶養控除申告書がありますね。

h30扶養控除申告書

平成29年度税制改正で、配偶者控除と配偶者特別控除が変更となりました。

この影響で、平成30年分の扶養控除申告書は様式が変わり、「源泉控除対象配偶者」について書くようになっています。その中で「平成30年中の所得の見積額」に書きます。

ざっくり言うと、配偶者の給与年収が150万円以下(所得85万円以下)の場合に記載します。

源泉控除対象配偶者

この場合には、配偶者控除と配偶者特別控除を受けられる可能性があるからです。

また、同一生計配偶者(給与年収103万円以下、所得38万円以下)についても同様です。

今回は配偶者控除を中心に説明していましたが、

  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 寡婦控除
  • 寡夫控除

についても同様に所得制限があるので、給与年収の場合は「65万円」を控除して「所得の見積額」を記載しましょう。

最後に

年末調整の各書類の具体的な書き方については、次の記事をご覧ください。

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