2017/02/243 Shares

配偶者控除と配偶者特別控除の違いは?いくら節税できるかわかりやすく解説

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目次

「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の違いは?

税金を計算する際に、支払う税金を減らすことができる「控除」の1つが「配偶者控除」と「配偶者特別控除」です。

配偶者控除と配偶者特別控除

そもそも「配偶者」とは?

いずれも「配偶者」とあるように、一定の条件を満たした「配偶者」がいる場合に使うことができる節税策です。

「婚姻届」を出してますか?

配偶者は、結婚していることが前提になります。

「内縁関係」や「事実婚」の場合には、婚姻関係がないため、パートナーを配偶者控除の対象にすることができません。

つまり、「婚姻届」を役所に提出して、法律的に夫婦となっていることが大前提となります。

「逃げ恥」の契約結婚では、配偶者控除は受けられない!

2016年冬ドラマの『逃げるは恥だが役に立つ』(TBSテレビ)では、契約結婚という形で同居する2人の姿が描かれていますが、主人公の新垣結衣さん演じるみくりが役所に提出したのは「住民票」でした。

婚姻届は出さずに同居だけしている状態で、法律上、結婚したとは言えません。

当然、星野源さん演じる平匡(ひらまさ)さんは、配偶者控除を受けることはできません。

実はこの点は、社会保険の扶養と大きく異なる点です。

「専業主夫」でも配偶者控除はできる?

夫から見た「妻」、または、妻から見た「夫」が配偶者です。

したがって、夫が配偶者控除を受けることはもちろん、逆に、妻が配偶者控除を受けることもできます。

例えば、夫がリストラやうつ病で無職になって、配偶者控除を受けている方もいることでしょう。

ただし、このブログの読者の方は女性が多く、「夫」が配偶者控除をしている場合が圧倒的に多いので、その前提で説明していきます。

なぜ配偶者を扶養しているのに「扶養控除」とは言わないの?

扶養控除から独立した配偶者控除

配偶者控除の歴史

実は最初にできた頃は、配偶者も含めて扶養している親族1人あたりについて「扶養控除」として控除していました。

当初は、配偶者は、1人目の扶養している親族だったのです。

しかし、民法では、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」という義務があって、一方的に扶養している関係の他の親族と事情が異なる(例:親が子を扶養、親が祖父母を扶養)し、なんか違うよね、ということで、今から55年前に「配偶者控除」になりました。

パート問題でできた配偶者特別控除

さらに、高度経済成長期以後、専業主婦が増える中、妻がパートをすればするほど夫の方で配偶者控除が使えなくなって、かえって世帯全体の手取りが減って不公平だというパート問題が起こり、今から30年前に「配偶者特別控除」というもう1つの控除ができました。

配偶者控除は配偶者がいるからできる!

夫が妻を扶養しているから、妻が夫を扶養しているから、配偶者控除が使えるわけではありません。

「配偶者」がいるから使えるわけです。

ここで多くの人が勘違いをしてしまいますが、夫婦はお互いに協力して助け合って生きていくものだから、配偶者控除は扶養かどうかは関係はないという考え方なのです。

ただ、配偶者には年収の制限(103万円の壁)が設けられているので、扶養しているような気がしますが、違う考え方なのです。

だから、配偶者について「扶養控除」とは言わないのです。

「103万円の壁」は配偶者控除、「141万円の壁」は配偶者特別控除

配偶者控除と配偶者特別控除は名前が似ていますが、使うための条件がそれぞれ異なります。

いわゆる「103万円の壁」と関係があるのが「配偶者控除」です。

これは、妻の年収が103万円を超えると、夫で配偶者控除ができなくなるからです。

また、あまりなじみがないかもしれませんが、「141万円の壁」と関係があるのが「配偶者特別控除」です。

これは、妻の年収が103万円を超えると、夫で配偶者控除ができなくなるからです。

あれ? 配偶者控除と配偶者特別控除は同時に使えないの?

残念ながら、配偶者控除と配偶者特別控除は、同時に使うことができません。

なんだ、控除がダブルになったらお得なのに、とがっかりされるかもしれませんが、ざっくり言えば、

  • 配偶者の年収0円~103万円以下:配偶者控除
  • 配偶者の年収103万円超~141万円未満:配偶者特別控除

となります。

控除額1

そうです、配偶者の年収によって、使える制度が違うのですね。

しかも、「103万円の壁」は、配偶者特別控除があることによって、世帯収入が減って不公平にならないように調整されているのです。

それでは、それぞれについて詳しい条件といくら節税になるのかを見ていきましょう^^

「配偶者控除」とは?あなたが扶養になるための条件は?

配偶者控除を受けるための条件は、次の4つです。

条件1:12月31日時点で夫婦であること

最初に夫婦が条件と書きましたが、実は、「いつのタイミングで夫婦なのか?」が大事となります。

結論から言えば、12月31日時点で夫婦である必要があります。

婚姻届を役所に提出するタイミングにご注意ください。

披露宴や結婚式をしたタイミングと異なる時は、特にご注意ください。

逆に、離婚届を提出して法律上夫婦ではなくなる場合は、12月31日時点で夫婦ではないので、配偶者控除の対象外となります。

ただし、例外的に、年の途中で配偶者が亡くなった時には、その亡くなった時点で判定します。

亡くなったから配偶者控除は適用できないという間違った年末調整をする会社の担当者もいるので、源泉徴収票が来たら、自分で確認しましょう。

条件2:夫婦で「生計を一(せいけいをいつ)」にしていること

うわ、何これ難しい、と思われるかもしれませんが、夫婦で一緒に暮らしていたら、当てはまります

ざっくり言えば、同じサイフで暮らしているイメージです(夫婦でサイフは別管理とか、そういう管理方法は問いません(笑))。

したがって、もし、単身赴任で旦那様が遠くにいて別居中だとしても、生活費の仕送りをしているでしょうし、週末やお盆休み・年末年始などには帰宅して一緒に住んだりしているでしょうから、同じサイフで暮らしているものとして、配偶者控除を使うことができます。

条件3:給与年収103万円以下(所得38万円以下)であること

配偶者がいたら、必ず配偶者控除を受けることができるわけではありません。

例えば、妻が専業主婦であれば、必ず受けることができますが、妻が働いている場合には、年収によって使えるかどうかは変わってきます。

その基準が「103万円の壁」でしたね。

正確に言えば、「所得38万円以下」という基準があります。

給与の場合は、アルバイトやパートの年収から「65万円(=給与所得控除)」を引いた金額になります。

そうすると、103万円の場合、65万円を引くと38万円ですね。

104万円の場合、65万円を引くと39万円になってしまい、所得38万円を超えてしまって使えません。

※通勤のための交通費は、税金の計算の際には含めません。

なお、これはあくまで「給与」の場合です。

最近はインターネットビジネスでお仕事をしている方も増えてきましたが、給与ではないため、収入から必要経費を引いた金額が38万円以下かどうかで判定します。

したがって、インターネットビジネスで年間80万円稼いで、必要経費が10万円の場合は、80万円-10万円=70万円で、38万円を超えてしまうので、配偶者控除が使えない点にご注意ください。

関連 「所得の見積額」に年収を書くのはバツ!正しい計算方法と書き方をご紹介

条件4:事業専従者として給与をもらっていないこと

これは関係ないと思いますが、例えば夫が自営業で、妻が夫から給料をもらっている場合には、配偶者控除が使えない仕組みとなっています。

やっぱり配偶者控除で重要なのは、「年収」!

いかがでしたでしょうか。

一般の家庭では、条件1の「「12月31日時点」で夫婦であること」、条件2の「夫婦で「生計を一(せいけいをいつ)」にしていること」と条件4の「事業専従者として給与をもらっていないこと」は、あまり悩むことはないですね。

となると、気をつけないといけないのは、条件3の「 給与年収103万円以下(所得38万円以下)であること」ですね。

産休中・育児休業中だけ年収103万円以下になる人もたくさんいるので、次の記事を参考にしてみてください。

関連 共働きでも配偶者控除は使えるの?産休・育児休業中は節税のチャンス!

「配偶者控除」の節税額は5万円~11万円くらい!

さて、配偶者控除の条件がわかったところで気になるのは、節税になる金額ですね。

配偶者控除が使えると、所得税の計算で「38万円」、住民税の計算で「33万円」が控除できます。

「え!? 38万円もお得なの!?」

と思うかもしれませんが、残念ながら38万円(33万円)に対して「税率」をかけた金額が節税になります。

結論だけ言えば、「配偶者控除を受ける人」の年収に応じて、だいたい、次のような金額が節税額の目安になります。

  • 年収200万円:約5万2千円
  • 年収300万円:約5万2千円
  • 年収400万円:約5万2千円
  • 年収500万円: 約7万1千円
  • 年収600万円: 約7万1千円
  • 年収700万円: 約10万9千円
  • 年収800万円: 約10万9千円

例えば、夫の年収が400万円、妻の年収が100万円なら、夫は配偶者控除によって、約5万2千円の節税ができるってことですね。

他に医療費控除や生命保険料控除をたくさん受けていると、減る可能性はありますが、大体、5万円から11万円くらいの節税ができるというわけです。

「配偶者特別控除」とは?条件は?

お次は、配偶者特別控除です。

最初に書いたように、配偶者特別控除は、「パート不公平問題」といって、妻がパートとして年収103万円(現在)を超えて働いたら配偶者控除が夫の方で使えなくなって、「世帯全体で見ると手取りが減った!」という問題から生まれたものです。

図で確認しましょう。

もし、配偶者特別控除がなかったら、次のようになります。

控除額2

配偶者特別控除は、壁・・・というか崖(がけ)から落ちないようにするための階段が設けられているといえます。

控除額1

配偶者特別控除の条件は、次の5つです。

条件1:12月31日時点で夫婦であること

これは先ほどの配偶者控除と同じですね。

条件2:夫婦で「生計を一(せいけいをいつ)」にしていること

こちらも先ほどの配偶者控除と同じですね。

条件3:給与年収141万円未満(所得76万円未満)であること

配偶者控除では、給与年収103万円以下(所得38万円以下)であることが条件でしたが、配偶者特別控除はパート不公平問題を解決するために、ややゆるい条件となっています。

ただし、給与年収が103万円を超えると自分自身が所得税の対象になります。

条件4:事業専従者として給与をもらっていないこと

こちらも先ほどの配偶者控除と同じですね。

条件5:「控除を受ける人」が給与年収約1,231万円未満であること

例えば、夫が「控除を受ける人」になるときは、夫の給与年収が約1,231万円を超えると、妻の給与年収が103万円以下だとしても、配偶者特別控除は使えません。

控除額2

あなたはたくさん給料もらってるから、控除しなくていいでしょ、という制度になっているんですね。

条件5は、配偶者控除にはない条件です。

配偶者特別控除も使えないとなると、夫の給与年収が1,231万円を超える場合には、中途半端に104万円とか105万円とか働くと、配偶者控除(自分の年収が103万円までだからダメ)も配偶者特別控除も(夫の年収が1,231万円を超えるからダメ)両方とも使えなくてもったいないですね。

・・・まあ、夫がそれだけ給与をもらっていたら、ですけどね。

「配偶者特別控除」の節税額は5万円~11万円かそれ以下!

配偶者控除は一律で所得税で「38万円」、住民税で「33万円」を控除できますが、配偶者特別控除は収入(正確には所得)に応じて控除できる金額が階段状に減っていきます。

  • 給与年収103万円超~105万円未満:控除額38万円
  • 105万円以上~110万円未満:控除額36万円
  • 110万円以上~115万円未満:控除額31万円
  • 115万円以上~120万円未満:控除額26万円
  • 120万円以上~125万円未満:控除額21万円
  • 125万円以上~130万円未満:控除額16万円
  • 130万円以上~135万円未満:控除額11万円
  • 135万円以上~140万円未満:控除額6万円
  • 140万円以上~141万円未満:控除額3万円

ちなみに、住民税も階段状に減っていきますが、説明が複雑になるので、省略します。

これを見て気づくのは、給与年収が103万円超105万円未満の場合、例えば、104万円のときには、控除額は配偶者控除と同じ38万円なのですね。

したがって、節税できる金額も、先ほどと同様に、大体、5万円から11万円くらいの節税ができるというわけです。

そして、だんだん減っていくので、それより少ない金額ということになります。

年末調整のときにどうやって申請するの?

配偶者控除や配偶者特別控除は、「年末調整」で受けることができます。

勤め先から配布される「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「控除対象配偶者」の欄に記載します。

扶養控除申告書

関連 ゼロからわかる「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の書き方

また、「配偶者特別控除」については、さらに「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」にも記載をします。

配偶者特別控除1

関連 ゼロからわかる「給与所得者の配偶者特別控除申告書」の書き方

このように、配偶者控除と配偶者特別控除でやり方が異なるので、それぞれの記事を参考にしてみください。

確定申告のときにどうやって申請するの?

年末調整で受けらない場合は、最初から確定申告しか選択肢がない方は、確定申告書を利用して、配偶者控除や配偶者特別控除を受けることができます。

簡単にできる確定申告書の作成方法は、下記の記事で公開しています。

関連 図解でわかる!配偶者控除の確定申告書の作成方法【平成28年版】

平成29年度税制改正で配偶者控除はどう変わる?

平成29年度税制改正で、配偶者控除と配偶者特別控除が見直されようとしています。

変更点1:「新・配偶者控除」は夫の給与年収1,120万円以上の制限に注意!

配偶者控除は、103万円の壁は変わりませんが、追加条件として、「控除を受ける人」に年収の制限が加わります。

今までは、「控除を受ける人」の年収に関係なく、一律38万円が控除されていましたが、新しい配偶者控除では、年収1,120万円以上になると「26万円」に、1,170万円以上になると「13万円」に、1,220万円以上になると「0円」、つまり対象外となります。

したがって、年収が高い場合には、増税となります。

・・・まあ、それだけもらっていたらの話ですけどね!

変更点2:「新・配偶者特別控除」は年収150万円と201万円の壁に注意!

一方、配偶者特別控除は年収103万円超105万円未満の区分で「38万円」の控除ができますが、これが拡大されて、年収103万円超年収150万円未満まで「38万円」の控除ができるようになります。

これが新しく登場する「150万円の壁」です。

そして、150万円以上になっても年収201万円までは階段状に減っていきます。

これが141万円の壁の代わりに登場する「201万円の壁」です。

最後に:真の目的「配偶者手当の廃止」に備えよ!

なぜ配偶者控除を変えるのでしょうか?

真の目的の1つと言われているのが、公務員や企業の従業員に支給されている配偶者手当の廃止です。

これは、配偶者控除を参考にして、年収103万円以下なら手当を出すとなっていましたが、それこそが働く意欲をそぐものとして「真の103万円の壁」となっていました。

月2万円なら年間24万円です。

103万円を1円でも超えたらもらえないとなれば、働くのがバカバカしくなる人もいるでしょう。

・・・しかし、昨年はトヨタ自動車が、今年は国家公務員が配偶者手当廃止の方向性を打ち出しました(人事院勧告)。

そうすると、次は中堅企業、地方公務員にまで影響していきます。

時代は、配偶者手当の廃止に向かっています(代わりに子どもへの手当てを増やす方向へ)。

そうなると、妻が専業主婦や年収103万円以下で子どもがいない家庭は、配偶者手当の減少により、家計がピンチになることが予想されます。

だからこそ、「知は力なり」です。

税金の制度を少しでも知ることで、変わっていく時代を乗り越えていきましょう!

このブログが少しでも、そのお役に立てたら幸いです。

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