2018/05/149 Shares

住宅ローン控除や医療費控除で還付を受けるだけなら1月1日から5年間還付申告が可能


還付申告

残念
医療費控除をしたんだけど、税務署が混むから嫌なのよね

私の母が以前、医療費控除をしに行った話を聞いて、私はこんなことを言いました。

残念
じゃあ、1月とか税務署が混んでない時に行けばよかったのに
残念
え? 確定申告って、2月16日から3月15日の間しかダメなんじゃないの?
残念
還付を受けるための申告=還付申告だったら、1月1日から5年間、いつでもいいんだよ

実は、住宅ローン控除(初年度)や医療費控除など「還付」を受けるためだけなら、1月1日から税務署に申告書を提出してすぐに還付を受けることができます。

この記事では、確定申告と還付申告の違いについて解説します。


「確定申告」とは?

確定申告とは、次のような人が、前年の1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して納める税金を確定させるために行う申告をいいます。

  • 自営業やフリーランスと呼ばれる「事業所得」がある人
  • 地主や大家さんのような「不動産所得」がある人
  • 年末調整ができなかった人
  • 2か所以上から給料をもらっている人(例外あり)

「確定」申告とは、一体何を「確定」させているのでしょうか?

そうです。

「払う税金(=所得税)」を自己申告で確定させているのです。

そして、所得税の確定申告は、毎年2月16日から3月15日の1か月の間に、税務署に対して行います。

だから確定申告と言えば、2月16日から3月15日の間というのは「正しい」のです。

「還付申告」とは?

一方、還付申告とは、例えば会社員のように既に年末調整をして一旦、1年間の所得税が計算され、天引きされた税金の過不足が精算されている人の中で、年末調整ではできなかった医療費控除や住宅ローン控除(初年度)、ふるさと納税(ワンストップ特例を除く)を使って税金の還付を受けるための申告です。

確定申告は、「税金を払う側」の申告でした。

還付申告は、「納め過ぎた税金を返してもらう側」の申告です。

これらは全く正反対の制度になっています。

そして、還付申告は、1月1日から5年間、税務署に対して行います。

例えば、平成29年分なら、平成30年1月1日から5年間OKです。

このとき、還付申告専用の用紙はありません。

「確定申告」と同じ様式の用紙を利用します。

思い込みは「確定申告」のことばかり宣伝するのが原因?

2月16日から確定申告時期がはじまると、TVCMや駅やネット上の広告なんかを見ても、やっているのはすべて「確定申告」のことで、還付申告のことではありません。

平成29年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ

平成29年分の所得税等の確定申告の相談及び申告書の受付は、平成30年2月16日(金)から3月15日(木)までです。

税務署の閉庁日(土・日曜・祝日)は相談及び申告書の受付は行っておりませんが、一部の税務署(確定申告会場)においては、2月18日及び2月25日の日曜日に限り、確定申告の相談及び申告書の受付を行います。

出典:平成29年分確定申告期の確定申告会場のお知らせ|お知らせ|国税庁(リンク切れ)

このため多くの人は、確定申告と還付申告の区別がつかないままになっています。

だから私の母のように、「医療費控除は(全員が)2月16日から3月15日までに必ずしないといけない」と思い込んでいるのです。

また、確定申告の相談コーナーができるのもこの時期なので余計にそう思わせます。

くどいようですが、これだけ書いても信じてくれない人が多いので、国税庁のホームページから根拠を引用しておきましょう。

国税庁タックスアンサーNo.2030「還付申告」

確定申告書を提出する義務のない人でも、給与等から源泉徴収された所得税額や予定納税をした所得税額が年間の所得金額について計算した所得税額よりも多いときは、確定申告をすることによって、納め過ぎの所得税の還付を受けることができます。この申告を還付申告といいます。

還付申告書は、確定申告期間とは関係なく、その年の翌年1月1日から5年間提出することができます。

国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」では、画面の案内に従って金額等を入力することにより、税額などが自動計算され、所得税、消費税の申告書や青色決算書などを作成できます。作成したデータは、電子申告(e‐Tax)を利用して又は印刷して税務署に郵送等で提出することができます。




「納税」と「還付」の違いとは?

還付申告

さて、なぜ確定申告と還付申告では、このように期限がまったく異なるのでしょうか。

それは、税務署(国)の立場になってみればすぐにわかります。

税金は「国」にとっての収入です。

3月15日という期限を設定せずに、5年間待ちますよ、なんて言っていたら、いつまで経っても収入が入ってきません。

1日でも早く税金を納税してほしいのです。

しかも、都道府県や市町村の収入である「個人住民税」は、所得税の計算をほとんど参考にして計算されます。

つまり、確定申告をしてもらって所得税が決まらなければ、個人住民税も決まりません。

このままでは、国も都道府県・市町村も収入がいっこうにもらえなくて困ってしまいます。

払う税金を決めるためには、税金の計算が必要です。

日本では自己申告の申告納税制度なので、「確定申告は3月15日までにしましょう!」と期限を設け、それまでに申告をして、かつ、税金を納めるように促しているのです。

一方、還付申告はどうでしょうか。

大前提として、「税務署が既にもらっている」からこそ還付できます。

会社員でいえば、毎月の給与天引きでは医療費控除や住宅ローン控除のことなんて考慮できないので、当然、税金が取られ過ぎになります。

その税金は、会社を通じて税務署や市町村に支払われています。

だから、税務署としては、すでに収入としてもらっているので、「還付申告は3月15日までにしましょう!」とあえて急がせる必要はないのです。

住民税のことを考えると3月15日までに還付申告を!

さて、還付申告は5年間OKと書いてきましたが、

確定申告書の提出期限

Q8
私は給与所得者で確定申告の義務はない者です。

ところで、昨年ローンで住宅を購入し住宅借入金等特別控除を受ける予定ですが、いつまでに申告する必要がありますか。

A8

税務署への申告は、居住した年の5年後の12月31日まで可能です。ただし、控除される額が所得税から引ききれない場合は、一定の計算の下で住民税から控除される仕組みとなっており、これを受けるためには、原則として居住した年の翌年の3月15日が申告期限となっていますので、ご留意ください。

出典:No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|所得税|国税庁

とあるように、所得税から引ききれない分は住民税から控除される仕組みになっているので、これを受けることを考えると、1月1日から3月15日までの間に還付申告した方がよさそうです。

まとめ

還付申告は5年間OKといっても、放っておくと忘れてしまって税金を取り戻さないという方も多いので、あわてる必要はありませんが、確実に進めましょう。

関連 図解でわかる!医療費控除の確定申告書の作成方法

関連 図解でわかる!住宅ローン控除の確定申告書の作成方法

また、5年間OKということは、例えば、本当は「平成28年」に配偶者控除が使えたのに、年末調整で忘れていたような場合、「平成28年分の還付申告」を行うことで、税金を取り戻すことができます。

様式が異なるだけで、書き方は平成29年分とほとんど同じです。

当時の「給与所得の源泉徴収票」を用意して申告書を作って、節税しましょう。

関連 図解でわかる!配偶者控除の確定申告書の作成方法

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ただし、平成28年分で確定申告をしている場合は、手続きが異なる場合があるので税務署にご確認ください。

関連 過去の還付申告書を作成するための確定申告書等作成コーナーの使い方

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