年末調整で納めすぎた税金が還付される時期がいつなのか、気になりますよね。
実は勤め先によって時期が異なります。
年末調整とは
- 毎月の給料やボーナスから天引きした「所得税」
- 1年間の給料に家族の有無や保険料の支払い状況を考慮して再計算した「所得税」
を比較して年末に調整する手続きです。
毎月の給料やボーナスから天引きされている「所得税」はざっくり計算されたもので正確な金額ではありません。
どうしても多い少ないが出るので
- 天引きが多い⇒税金を還付
- 天引きが少ない⇒税金を徴収
のどちらかをして精算します。
この記事では、税金が還付される3つのタイミングをご紹介します。
※年末調整のまとめ記事はこちらです。
※源泉徴収票の見方に関する記事はこちらをお読みください。
関連 源泉徴収票の源泉徴収税額が0円になる理由と所得税・住民税の申告の必要性
もくじ
【ケース1】12月分の給料と一緒に還付
1つ目が年末調整後の12月分の給料と一緒に還付するケースです。
「25日」や「月末」に給料を支払う会社に見られます。
12月分の給料明細を見ると、11月分までと比べて「天引きされる所得税」が少なくなっていることがあります。
これは「天引きされる所得税」から「年末調整の還付金」を差し引いているためです。
単に差し引くだけなのか、還付金額が分かるように書いてあるかは会社ごとに異なるかと思います。
給料明細と一緒に源泉徴収票をもらうこともあります。
【ケース2】翌年1月分の給料と一緒に還付
2つ目は翌年1月分の給料と一緒に還付金が振り込まれるケースです。
従業員数が多かったり、給料の締め日が早かったりすると12月中に年末調整が間に合わないこともあります。
会社が余裕をもって年末調整の計算を行うために、翌年1月分の給料と一緒に振り込むのです。
12月の給料では毎月と同じように所得税が天引きされて、1月分の給料明細で年末調整の還付金が反映されます。
【ケース3】12月から翌年1月までの間に現金で還付
3つ目が給料とは別に現金でもらうケースです。
年末調整の計算が終わり次第、給料とは別に「封筒」に入れて現金で渡されることがあります。
ただし、常に「還付」ならいいのですが、中には天引きした所得税が足らずに「徴収」となる場合もあります。
- 天引きが多い⇒税金を還付
- 天引きが少ない⇒税金を徴収
そこで現金をあとから徴収するのも手間のため、冬のボーナスで調整して現金で渡している会社も見かけます。
年末調整で徴収されたり、還付金が少ないのはなぜ?
年末調整で還付されると期待していたら
- 徴収になった
- 前年より還付金が少ない
ため「なぜ?」と思った方もいると思います。
主に次の3つの理由が考えられます。
- そもそも所得税が天引きされていなかった
- 天引きされる所得税が不足していた
- 勤め先が計算を間違えていた
理由1:そもそも所得税が天引きされていなかった
会社は給料を支払う際に所得税を天引きしています。
しかし給料の金額によっては、天引きが不要になるケースもあります。
例えば、社会保険料を控除した後の月の給料が88,000円未満の場合には、天引きされる所得税は0円です。
パートやアルバイトの方に多いですね。
年末調整はあくまで「払いすぎた所得税」があればそれを還付する制度なので、天引きされる所得税が0円の場合は還付できません。
毎月の給与明細を確認してみましょう。
給与明細から天引きされている所得税が常に「0円」になっていませんか?
関連 パート・アルバイトの所得税は月の給料がいくらから発生する? 源泉徴収税額表(甲乙欄)の見方
関連 所得税が0円なのに住民税が課税されたのはなぜ?100万円,97万円,93万円の壁に注意!
理由2:天引きされる所得税が不足していた
- 天引きされた所得税:5万円
- 年末調整で再計算した所得税:5万2,000円
の場合、差額の2,000円だけ天引きが足りていません。
そのため還付ではなく2,000円徴収(ふつうは給料・賞与から天引き)されます。
天引きされる所得税が不足する原因は主に次のとおりです。
- 夫または妻が働いて扶養を外れた(配偶者控除の対象外)
- 夫または妻と離婚した(配偶者控除の対象外)
- 16歳以上の扶養親族が就職して扶養を外れた(扶養控除の対象外)
- 今年のボーナス(賞与)が多かった(もともと天引きされる所得税が少なかった)
よくあるのが最後の「ボーナスが多かった」ケースです。
ボーナスから天引きされる所得税は「前月の給料」をもとにざっくりと計算されています。
給料は低くおさえられているけれど、ボーナスは多いという給与体系の会社がありますね。
そういった場合は給料をもとに計算すると、実際もらえるボーナスの額に対して天引きされる所得税が少なくなります。
また、毎年のボーナスが大きく変動する給与体系だと、前年は還付だったのに今年は徴収ということもあり得ます。
理由3:勤め先が計算を間違えていた
これは2つのケースが考えられます。
- 毎月天引きする所得税を少なく計算していた場合
- 年末調整自体が間違っている場合
注意が必要なのは2番目です。
「おかしいな」
と思ったら、必ず勤め先に「なぜ今年は還付ではないのか?」と聞いてみましょう。
年末年始の限られた時期に計算を行うので、ミスはどうしても起こります。
年末調整のミスは、自己申告によって見つかることはよくあります。
自分で気づかないとそのまま払い損になる場合もあるので、源泉徴収票をもらったらすぐに確認しましょう。
前年の源泉徴収票がある方は、ぜひ前年とどこが違うのか比較してみましょう。
関連 源泉徴収票の源泉徴収税額が0円になる理由と所得税・住民税の申告の必要性
まとめ
年末調整の還付金がもらえるタイミングと、不足して徴収される理由についてまとめました。
年末調整でなんかおかしいなと思ったら、勤め先に確認して自分を守りましょう。
関連 手取り年収は税込年収の約8割!源泉徴収票と給料明細から簡単に計算する方法
※年末調整のまとめ記事はこちらです。