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源泉徴収と年末調整はなぜ必要?最低限知っておきたい基礎知識


還付の計算

毎月の給料からは所得税が天引き(=源泉徴収)され、年末になると年末調整が行われます。

なぜこのようなことをするのでしょうか?

この記事では、源泉徴収と年末調整の基礎知識について説明します。


1.源泉徴収とは?

会社員や公務員など給料や賞与(ボーナス)をもらう方は、毎月の給料や夏・冬の賞与から「所得税」があらかじめ天引きされます。

これが、源泉徴収(げんせんちょうしゅう)です。

源泉徴収

勤務先は、源泉徴収した所得税を翌月10日までに税務署に納めています。

そのため、普段、あなた自身が税務署とかかわることはまずありません。




2.年末調整とは?

2-1.年末調整の必要性

しかし源泉徴収する所得税はざっくり計算した金額です。

しかもちょっと多めに天引きされています。

また、その年に生命保険料や地震保険料を払ったり結婚したりすると、「所得控除」が受けられます。

控除によって税金は安くなるのですが、源泉徴収では反映できません。

だから年末に、本来その年に負担すべき所得税をちゃんと計算します。

源泉徴収された所得税との差額が多ければ「還付」、足らなければ「徴収」というように調整しているのです。

これが年末調整(ねんまつちょうせい)です。

年末調整

といっても多くの方にとって年末調整は、必要な書類を提出して、払いすぎた税金が還付されるのを待つだけの手続きといえます。

一方、勤め先は

  1. 従業員から必要書類を集めて
  2. 税金の計算をして
  3. 税務署に納税して
  4. 税務署や市町村に税金の計算結果を報告して
  5. 従業員に差額を還付または徴収する

とやることがいっぱいあるため、結構大変です。

しかも平成28年分からマイナンバー(個人番号)制度がスタートして、年末調整はさらに手間が増えています。

2-2.本来払うべき所得税が少ない場合=還付!

さて、具体的な金額を使ってもう少し年末調整について見てみましょう。

例えば、

  • 1年間で源泉徴収した所得税=12万円
  • 本来その年に負担すべき所得税=11万円

だとすると、1万円だけ多めに払い過ぎたことになります。

還付の計算

この場合、1万円を還付してもらえます。

これはあくまで自分が払ったお金が戻ってきただけです。

でも、うれしいですよね^^

年末調整は「還付」がいいに決まってます。

関連 源泉徴収税額が「0円」の意味を知ってますか?源泉徴収票の見方

2-3.年末調整で「不足」する原因は?

逆に、本来その年に負担すべき所得税が13万円のときもあります。

こういうときは、13万円-12万円=1万円が不足しているため、後日、給料から追加で「徴収」されると、とてもブルーな気持ちになりますね。

なぜこういうことが起こるのでしょうか?

原因として考えられることは、「本来その年に負担すべき所得税」よりも、「1年間で源泉徴収した所得税」が少なかった場合です。

具体的には次のようなケースです。

  • 毎月の給料の変動が大きかった
  • 給料に占める賞与の割合が大きかった
  • 年の途中で離婚して配偶者控除がなくなった
  • 扶養している子どもの情報が間違っていた

また、次のようなことが原因になることもあります。

  • 勤め先が行う毎月の源泉徴収の計算が誤っていた
  • 勤め先が行う年末調整の計算が誤っていた

いずれにしても不足しているときは、どうしてそうなったのかを勤め先に聞いて確認しましょう。

関連 年末調整の還付のタイミングと、不足して徴収されるときの理由

関連 年収103万円以下の扶養の範囲で働く人の源泉徴収票の見方

関連 配偶者控除は確認した?「夫」の源泉徴収票の見方




3.年末調整でできる「控除」は?

控除は税金を減らしてくれるので、控除を漏れなく行うことが「節税」につながります。

給与をもらう人の所得税の計算式は、次のとおりです。

(給与収入-給与所得控除)-所得控除=A

(A×税率)-税額控除=所得税

3-1.給与所得控除

まず、給与所得控除は給与収入に応じて誰でも受けられるものです(おおよそ次の計算式で求められます)。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
162万5千円以下 650,000円
162万5千円超 180万円以下 収入金額×40%
180万円超 360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超 660円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超 1,000万円以下 収入金額×10%+120万円
1,000万円超 220万円(上限)

※2020年以降は850万円超で195万円が上限になります。

例えば年収500万円の場合、給与所得控除額は

500万円×20%+54万円=154万円

となります。

3-2.所得控除

年末調整でできる所得控除の具体例は次のとおりです。詳細は各リンク先をご覧ください。

3-3.税額控除

年末調整でできる税額控除の具体例は次のとおりです。詳細は各リンク先をご覧ください。




4.年末調整でできない「控除」は?

一方、年末調整ではできないのが次の控除です。詳細は各リンク先をご覧ください。

4-1.年末調整でできない所得控除

4-2.年末調整でできない税額控除

※5か所以下の自治体に寄付をする場合は、確定申告をしなくてもふるさと納税が受けられる「ワンストップ特例」を使うことができます。

この場合には、自治体から送られてくる申請書類を提出する必要があるので注意しましょう。

まとめ

源泉徴収と年末調整の仕組みは、第2次世界大戦が終わった昭和22年(1947年)から、当時の税務署の職員が足らなかったために始まったものです。

  1. 従業員:「勤め先」に税金計算をしてもらうため、手間が省ける
  2. 税務署:「勤め先」が税金を集めるため、税金のとりっぱぐれがない

という2つの大きなメリットがあるため、70年近くも続いている仕組みです。

おそらく、これからも続くことでしょう。

実は勤め先というのは税金の計算・申告を代わりにしてくれる税理士のような役割を果たしています。

個人事業者・フリーランスになると自分でやるか、税理士にお金を払ってやってもらうことになります。

そういう意味では、勤め先に年末調整をやってもらうこと自体が、お得ともいえるかもしれません。

・・・ただし、自分の払っている税金についての関心が薄くなってしまうというデメリットもあります。

年末調整が終わったらもらった源泉徴収票をよく見て、正しく税金が計算されているか、控除の漏れがないかを確認しましょう。

関連 年末調整の還付のタイミングと、不足して徴収されるときの理由

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