「所得の見積額」に年収を書くのはバツ!正しい計算方法と書き方をご紹介

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平成28年版年末調整特集

所得の見積額は「65万円」を引いてますか?

年末調整の時期になると、勤め先から「給与所得者の扶養控除等申告書(通称「マルフ」)」が2枚渡されます。

1枚は平成28年分のマルフです。

28年マルフ

もう1枚は平成29年分のマルフです。

29年マルフ

2枚とも、年数が違うくらいでほとんど違いはありません。

この用紙のうち、年末調整で多くの人が間違えているのが、「所得の見積額」です。

所得の見積額

結論から言えば、年収から65万円を引いた金額を書くことになりますが、多くの方が65万円を引かずに「年収そのもの」を書いています。

所得の見積額の誤り

この記事では、「所得の見積額」の正しい書き方をご紹介します。

年収141万円を超える見込みなら書いても意味なし

まず、そもそも所得の見積額を書くのは、「配偶者控除」または「配偶者特別控除」を適用できる場合に限られます。

そのボーダーラインは、配偶者特別控除が使える年収141万円です。

28年マルフ大前提

つまり、年収141万円を超える場合には、そもそも所得の見積額どころか、「控除対象配偶者」の欄に記載すること自体の意味はありません。

なぜかといえば、この欄は「配偶者」全員について書く欄ではないからです。

この欄は、「控除対象配偶者」=配偶者控除や配偶者特別控除対象となる配偶者についてのみ書くからです。

なお、平成27年分までは別に書いても意味がないだけですんでいましたが、平成28年分からは「個人番号(マイナンバー)」の運用がはじまりました。

そのため、年収141万円を超える人は対象外なので書く必要もなければ、マイナンバーすら書く必要がない点にご注意ください。

平成28年分のマルフは慎重に!

共働き夫婦は産休・育休に注意

平成28年分のマルフは、年末調整にダイレクトに影響するので、慎重に書きましょう。

前提として、

夫:田中一郎さん

妻:田中花子さん

とします。

そして、田中花子さんは、平成28年3月から産休・育休に入り、平成29年に復帰予定です。

共働きで今まで配偶者控除を使ってこなかったかもしれませんが、花子さんの平成28年分の年収は45万円(1月と2月の給与のみ)で年収103万円以下のため、田中一郎さんの方で配偶者控除を受けることが可能となります。

この点、忘れてしまう人が多いので、ご注意ください。

詳細は、「共働きでも配偶者控除は使えるの?産休・育児休業中は節税のチャンス!」で説明しているので、お時間があるときにでもお読みください。

「今年の見込み」の「所得」を書く

さて、田中一郎さんがもらってきた平成28年分のマルフには、どのように書けばいいのでしょうか?

28年マルフ書き方

※わかりやすくするように赤字にしていますが、実際には、「黒ボールペン」で丁寧に書きましょう。

「控除対象配偶者」の欄に田中花子さんの情報を書きますが、今回のテーマである「所得の見積額」には、「花子さんの所得」を書きます。

所得とは、年収でも収入のことでもありません。

年収から必要経費を引いた金額となります。

ただし、給与をもらっている場合は、実際に使った経費ではなく、決まった金額を引くことになります。これを「給与所得控除」といいます。

給与のみもらっている場合は、ざっくりいえば、給与所得控除「65万円」を引いた金額を書いて下さい(年収161万9千円以下の場合)。

例えば、年収80万円なら、80万円-65万円=15万円が所得となります。

年収100万円なら、100万円-65万円=35万円が所得となります。

なお、今回のように65万円以下の場合には、65万円を引くとマイナスになってしまうので、「0円」となります。

※「45万円-65万円→0以下」というのは、計算式です。書かなくて結構です。

というわけで、「平成28年中の所得の見積額」には「0」円と書いて下さい。
28年マルフ書き方

基礎控除38万円は控除しません!

この記事を書いたら、いつもお世話になっているとりさんからこんなツイートをいただきました。


65万円は給与所得控除です。

そして、基礎控除38万円は控除しません。

もっといえば、生命保険料控除も社会保険料控除も医療費控除も全部関係ありません。

配偶者控除は給与所得控除をした後の所得が38万円以下の場合に、配偶者特別控除は所得が71万円以下の場合に使えます。

税金は難しいですね~。

既に書いてあっても「修正」してOKです。

さて、実はそういっても混乱してしまう場合があるのは、この平成28年分のマルフは、もらったときに「既に記載がある」のも原因かもしれません。

どういうことかというと、昨年も同じところに勤めていれば、あるいは、今年現在の勤め先に入社したとしても、入社時にこの書類を書いているはずなので、何らかの記載があるはずなのです。

例えば、昨年の年末調整の時に、平成28年分のマルフについて次のように書いたとしましょう。
28年マルフ修正前
この書き方は、2つの点で誤りがありました。

1つ目は、平成28年3月から産休・育休になるのに、平成27年中と同じくらいの収入があると思って「平成28年中の所得の見積額」を「300万円」と書いている点です。

2つ目は、先ほど「年収」と「所得」は違うということを書きましたが、分からないまま書いたので「年収」の見込みをそのまま書いているため、所得の見込みになっていない点です。

平成28年分は、先ほど見たように、年収45万円(所得0円)の見込みなので、修正をして、田中一郎さんの方で配偶者控除をしっかり適用する必要があります。

修正しないと、配偶者控除が田中一郎さんの方で受けられるのに「受けられない」と給与計算の担当者に思われて年末調整が行われてしまいます。

というわけで、修正後がこちらです。
28年分修正後
2重線を引いて、正しい所得の見積額である「0」円と今回は書きます。

このとき、訂正印を押すかどうかは、勤め先からの指示に従ってください。

ちなみに、年末調整を数多くやってきた経験上、1番下の欄に「0歳」の子どもの名前がある場合には、きっと産休や育休で奥様は休んだんだろうなと思って、この所得の見積額が正しい金額かと疑います。

たいてい、間違えてそのままになっていることが多いので注意しましょう。

平成29年分は働き方を考えて書こう!

さて、もう1枚、マルフがありますね。

平成29年分の田中一郎さんのマルフには、花子さんの所得の見積額について、どのような金額を書けばいいのでしょうか?

・・・実はその前に、考えることがあります。

平成29年中は、花子さんが職場復帰してどのように働くかです。

  • フルタイムで働く
  • 時短勤務にする
  • パートタイムにする

など選択肢があるかと思います。

もし、年収141万円を超える予定であれば、配偶者控除はもちろん、配偶者特別控除も受けることができないため、控除対象配偶者に該当しません。

そもそもこの欄に「あなた(奥様)の名前」を書く必要はないわけです

もし、来年の年末調整の時に見込みが変わっていれば、そのときに、「平成29年分」の書類をまた来年、書き直せばいいだけです。

一方、パート勤務の結果、年収141万円以下になりそうな予定の方は、年収の見込みの金額から65万円を引いた金額を、ご主人様のマルフに書いておいてください。

今年の年末調整の準備はできましたか?

⇒ 平成28年版*年末調整で失敗しないための特集

※質問や記事のリクエストもお気軽に♬

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