この記事では令和5年分の確定申告で医療費控除の申告をしたい方へ
- 必要書類
- 確定申告書の具体的な書き方
- 税務署への申請方法
をご紹介します。
住宅ローン控除の確定申告書は
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」
を使って無料で作成できます。
この記事では
- パソコン画面での操作方法
- 印刷して紙で提出
の場合をご紹介しています。
※e-Taxも基本的な入力方法は同じです(e-Taxに関する質問は残念ながら回答できません)。
なお、「夫婦連帯債務」で住宅ローンを組んだ場合、
- 「夫」の確定申告書
- 「妻」の確定申告書
とそれぞれ作る必要があります。
「夫の確定申告書を作れば妻の方も勝手に還付される」
という制度にはなっていないのでご注意ください。
また、「ふるさと納税」をしている方は、確定申告をするとワンストップ特例申請が「無効」になります。
必ず全ての自治体への寄附を含めて確定申告書を作成してください。
「そもそも住宅ローン控除がよくわからない!」という方は、先に下記の記事をお読みください。
関連 住宅ローン控除の条件は?新築・中古住宅購入で減税を受けるための12のポイント
確定申告書の提出期限は
令和6年3月15日まで
です。
住宅ローン控除で還付を受ける申告は令和6年1月1日から5年間有効ですが、住民税の計算を考えると3月中に申告を終わらせることをおすすめします。
関連 住宅ローン控除で還付を受けるなら1月1日から5年間還付申告が可能!でも3月15日までがおすすめな理由
もくじ
住宅ローン控除の必要書類
必要書類一覧
確定申告書を作成する前にまずは必要書類を用意しましょう(提出しないものも含みます)。
- 給与所得者の源泉徴収票
- マイナンバーが分かるもの(例:マイナンバーカード、通知カード)
- 還付金を受け取る銀行口座の口座番号がわかるもの(例:通帳)
- 住宅ローンの年末残高等証明書(原本)
- 建物の全部事項証明書
- 建物の請負契約書または売買契約書
- 土地の全部事項証明書 ※土地も受ける場合
- 土地の売買契約書 ※土地も購入した場合
※1だけ「原本」が必要です。
その他、住宅取得資金贈与がある場合や認定長期優良住宅に該当する場合は「写真でわかる住宅ローン控除の確定申告の必要書類一覧」も合わせてご確認ください。
- 寄附金の受領証明書(各自治体)
ふるさと納税をワンストップ特例申請している場合でも全ての自治体への寄附金の受領証明書を用意します(確定申告をするとワンストップ特例申請が無効になるため)。
郵送で提出する場合
税務署に郵送で提出する場合は、さらに
- 提出用の封筒と切手(レターパックがおすすめ!)
- 返信用封筒(A4が横三つ折りで入る長3封筒など)
- 84円切手(返信用封筒に貼る)
もご用意ください。
個人的には郵便局やコンビニで買えるレターパックライトがおすすめです。
【重要】取得対価の額の計算を先にしよう!
住宅ローン控除について金額を入力していきますが、先に計算をしていた方が手が止まらなくてすみます。
その中で重要なのが住宅と土地の「取得対価の額」です。
これは住宅の購入代金・建築代金、土地の購入代金、諸経費などが該当します。
特に注文住宅を建築した場合は、いろんな支出があると思います。
必要書類を集めたら、整理して計算しておく必要があります。
詳細は下記の記事をお読みください。
関連 住宅ローン控除の対象になる「取得対価の額」とは?マンションは要注意!
確定申告書の作成準備
- 建物は消費税率10%のときに取得
- 夫婦連帯債務
- 自治体の補助金あり
- 住宅取得資金贈与あり
- 認定長期優良住宅に該当
上記のうち該当するものがない場合は、その部分を飛ばして進めてOKです。
住宅ローン控除は前提の違いによる分岐が多いため、途中で入力画面が異なる場合がある点、ご了承ください。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」のページを開き、「作成開始」を選びます。
▼税務署への提出方法の選択
- スマートフォンを使用してe-Tax
- ICカードリーダライタを使用してe-Tax
- ID・パスワード方式でe-Tax
- 印刷して提出
の4種類が選べますが、今回は紙で提出する「印刷して提出」を前提に進めます。
※e-Taxも基本的な入力方法は同じです(e-Taxに関する質問は残念ながら回答できません)。
▼推奨環境の確認
次のページでOS、ブラウザ、PDF閲覧ソフトの確認をします。
- OS:Windows 10、 11
- ブラウザ:Microsoft Edge、Google Chrome、Firefox
- PDF閲覧ソフト:Adobe Acrobat Reader DC
最新版を利用していれば特に問題ありません。
良ければ右下の「利用規約に同意して次へ」を選びます。
▼作成する申告書等の選択
まず「令和4年分の申告書等の作成」を選んで、その下に出てくる「所得税」をクリックします。
次の画面で「次へ進む>」を選びます。
▼申告される方の生年月日
自分の生年月日を入力します。
▼申告内容に関する質問
今回の確定申告についていくつか質問に答えていきます。
今回は
- 給料以外の収入なし(いいえ)
- 源泉徴収票は1枚(はい)
- 勤務先で年末調整済み(はい)
- 住宅ローン控除を受ける(はい)
- 控除の追加、年末調整の内容変更はなし(いいえ)
- 予定納税額の通知なし(いいえ)
を想定しています。
もし違う部分がある場合は、違う回答を選びましょう。
(例)
※「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」が住宅ローン控除のことです。
これで事前準備は完了です。
右下の「次へ進む」を選びます。
給料情報の入力
ここから給料に関する情報を入力していきます。
「給与所得の源泉徴収票」を用意しましょう。
※源泉徴収票自体は、税務署に提出しません。
▼源泉徴収票の入力
「入力する」を選びます。
「源泉徴収票」を見ながら
- 支払金額
- 所得控除の額の合計額
- 源泉徴収税額
の3つの金額を入力します。
「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」と「所得金額調整控除※」のあり・なしを選びます。
住宅ローン控除は今回の確定申告で受けるもので、年末調整では何もされていないので「なし」を選びます。
※所得金額調整控除は年収850万円超で扶養している子どもや障害者がいる場合に該当することがあります。
「支払者」には、自分の勤め先の情報を入力します。
右下の「入力内容の確認」を選びます。
▼給与所得の入力内容確認
念のため、「源泉徴収票」と合っているか確認してから「次へ進む」を選びましょう。
▼収入・所得金額の入力
今回は「給料のみ」を想定しているため、次のようになります。
右下の「入力終了(次へ)」を選びます。
これで給料に関する情報の入力は終了です。
医療費控除・ふるさと納税の入力
※ない場合は次に飛んでください。
=====
医療費控除やふるさと納税をする場合には、ここで入力します。
入力方法は下記の記事の該当部分を参考にしてみてください。
入力すると次のようになります(あくまで例です)。
右下の「入力終了(次へ)」を選んで先に進みます。
住宅ローン控除 (1) 選択
いよいよ住宅ローン控除のための入力に移ります。
「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」の「入力する」を選びます。
住宅ローン控除 (2)基本情報
▼取得形態等の入力
7つのパターンから選択します。
- 住宅の新築又は土地付きの新築住宅⇒注文住宅(建物のみ)、分譲住宅・マンション
- 土地をローン購入した後で住宅を新築⇒注文住宅(土地の購入+建物)
今回は、「2番目」の「住宅の敷地となる土地を借入金等により購入した後で住宅を新築した」を例にしています。
「1番目」も2番目のうち土地に関する情報がないだけで、基本は同じです。
「4番目」の中古住宅は「中古住宅に関する情報」も入力します。
選ぶと下に新しく欄が表示されるので
- 土地を購入した年月日入力=ふつうは土地の全部事項証明書の売買の日付
- 住宅に居住を始めた年月日の入力=ふつうは転入日(住民票の異動日)
をそれぞれ入力します。
「次へ進む」を選びます。
▼住宅や土地についての質問
各質問が出てくるので、ご自身の状況に応じて「はい」か「いいえ」で答えてください。
※下記の回答は、前提条件にしたがったものです。
今回は7つ質問があるので1つずつ解説します.
注:異なる質問が出たり、質問自体がない可能性もあります。
1住宅に事業用等で使用している部分がありますか?
2土地に事業用等で使用している部分がありますか?
⇒100%居住用の場合は「いいえ」を、自宅兼店舗など一部でも事業用等で利用する場合は「はい」にします。
3住宅は共有名義ですか?
4土地は共有名義ですか?
⇒登記事項証明書に共有持分(夫婦や親子で共有など)がある場合には「はい」を、単独(例:夫だけ)で所有している場合は「いいえ」を選びます。
※今回の例では夫婦で共有している前提のため「はい」にしています。
5住宅や土地の取得に関し補助金等の交付を受けていますか?
⇒自治体から住宅購入で補助金がもあらえる場合は「はい」を、補助金はない場合は「いいえ」を選びます。
※今回の例では補助金を受け取っているものとして「はい」にしています。
6住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けていますか?
⇒両親・祖父母から贈与を受けてこの特例を利用する場合は「はい」を、そうではない場合は「いいえ」を選びます。
※今回の例ではこの特例を利用するものとして「はい」にしています。
7翌年分以降に年末調整又は確定申告でこの控除を受けるために利用する書類が必要ですか?
⇒2年目以降に年末調整で住宅ローン控除をする方がほとんどかと思います。必ず「はい」を選んでください。
今年10月頃に税務署から年末調整用の書類が送られてきて、令和6年分の年末調整で住宅ローン控除が簡単に受けられます。
関連 住宅ローン控除申告書(年末調整)の具体的な書き方と記入例
▼必要書類と適用要件の確認
「入力に必要な書類の用意(必要書類の一覧)」と「適用要件の確認」のページです。
最初に書類の準備をしていただいているかと思いますが、念のため上から順番に確認しましょう。
「次へ進む」を選びます。
※「適用要件」の詳細な解説は次で行っています。
関連 住宅ローン控除の条件は?新築・中古住宅購入で減税を受けるための12のポイント
住宅ローン控除 (3)金額や面積
ここから住宅・土地に関する具体的な金額などを入力していきます。
▼住宅に関する事項の入力
住宅に関する金額・面積の入力をします。
まず「取得対価(買った税込み金額)」を入力します。
建物の売買契約書や請負契約書などで消費税の金額を確認しましょう。
次の住宅の「床面積」は、登記事項証明書の「床面積」の欄で確認できます。
2階建てや3階建てなら各床面積の合計です。
その下の「住宅の共有持分」も登記事項証明書のとおりに入力します。
共有者の持分は登記事項証明書の「権利者その他の事項」の欄に記載されています。
今回は例として、夫3/4、妻1/4にしていますが、実際の割合を入力してください。
▼土地に関する事項の入力
土地も同様に入力します。
▼不動産番号
最後の
「登記事項証明書に記載された不動産番号を入力する。」
にチェックをして不動産番号を入力すると、建物・土地の全部事項証明書の提出を省略できるので入力しておきましょう。
「次へ進む」を選びます。
住宅ローン控除 (4) 補助金・贈与
▼補助金の入力
住宅購入で補助金などがある場合は入力します(この記事では省略します)。
「次へ進む」を選びます。
▼贈与を受けた金額の入力
「自分」が住宅取得資金の贈与を受けた場合に入力します。
今回は夫が親から300万円の贈与を受け
- 住宅の取得対価2,200万円⇒うち贈与200万円
- 土地の取得対価1,000万円⇒うち贈与100万円
としています。
「次へ進む」を選びます。
住宅ローン控除 (5) 年末残高
住宅ローンの年末残高の入力をします。
「住宅ローンの年末残高証明書」に書かれている情報をそのまま入力します。
- 住宅借入金等の内訳:住宅のみ、土地等のみ、住宅及び土地等から選ぶ
- 年末残高:令和5年12月末現在の住宅ローン残高を入力
- 当初金額:最初に借りたときの住宅ローンの金額を入力
- 摘要欄に連帯債務者の記載があれば「はい」、なければ「いいえ」
入力が終わると確認画面に戻ります。
「2つ以上」の年末残高証明書がある場合は、さらに入力し、なければ「次へ進む」を選びます。
住宅ローン控除 (6) 連帯債務
夫婦や親子で連帯債務の場合です。
実は、住宅ローン控除で最も分かりにくいのが連帯債務がある場合の入力画面です。
最初に画面を開くと1番下に「警告マーク」が出ています。
その上の「*負担割合合計」を「100%」にしないとこの警告は消えません。
「住宅・土地の取得対価の額」と「借入金・自己負担額」が一致していないためです。
今回だと
- 取得対価3,700万円-借入金3,000万円=700万円の資金
について入力する必要があります。
「その700万円はどこから来たの?」
という質問をしているわけですね。
例えば
- 他の共有者が別で借りた住宅ローン
- あなたと他の共有者の自己資金負担額(頭金)
から調達したことが考えられます。
今回は「自己資金負担額」の「共有持分」と「連帯債務による借入金に係る各共有者の負担割合」が一致するように自己資金負担額を入力しています。
- 夫:700万円×3/4=自己資金525万円
- 妻:700万円×3/4=自己資金175万円
そもそも登記をするときの「共有持分」というのは、「お金を出した割合(自己資金+住宅ローン)」でもあるはずなので、この2つの割合は一致するのがふつうです。
そのため、一致するように自己資金の部分で調整しています。
「次へ進む」を選びます。
「住宅と土地の取得対価」よりも住宅ローンの方が多い(オーバーローン)の場合の入力方法について質問がよくあります。
諸経費の分まで含めて借りた場合にオーバーローンになることがあります。
この場合は「自己資金負担額」に「マイナスの金額」を入力して調整します。
詳細は「オーバーローンの場合の住宅ローン控除の書き方の注意点」をお読みください。
住宅ローン控除 (7) 控除の選択
選択肢が5種類あります。
- 住宅借入金等特別控除(一般的な住宅ローン)
- 認定長期優良住宅
- 認定低炭素住宅
- ZEH水準省エネ住宅
- 省エネ基準適合住宅
該当するものをチェックしましょう。
基本的にはハウスメーカーなどに聞けばわかります。
※今回は「認定長期優良住宅」を選んでいます。
※どれに該当するかわからない方は、必ず不動産業者や住宅メーカーにもご確認ください。
参考:令和5年入居の場合のパターン
制 度 | 控除率 | 控除年数 | 借入限度額 |
住宅ローン控除 | 0.7% | 13年 | 3,000万円 |
認定長期優良住宅 認定低炭素住宅 |
5,000万円 | ||
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | ||
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 |
住宅ローン控除 (8) 入力内容の確認
▼入力内容の確認
これで入力が完了です。
※今回は年末残高2,900万円×持分3/4×控除率0.7%=152,200円(百円未満切捨)
※条件によっては控除率が1%になる場合もあります(「 (特例)特別特例取得」に該当)。
内容を確認して、良ければ右下の「次へ進む」を選びましょう。
内容を修正する場合は「入力した内容を訂正」を選びます。
▼税額控除等の入力
これでようやく元に戻りました。
右下の「入力終了(次へ)」を選びます。
▼計算結果の確認
しかし、その後の「計算結果の確認」を見ると、還付される金額は先ほどの住宅ローン控除の金額(今回だと152,200円)と異なっている場合が多いです。
今回は住宅ローン控除をする前の所得税(年末調整でもらった源泉徴収票の源泉徴収税額)が95,700円だったので、これ以上、所得税から還付できないためです。
ただし、残りの金額は住民税(最大9万7,500円)から控除されます。
会社員の場合、令和6年6月から令和7年5月までの給料から天引きされる「住民税」が減ります。
※今回は「定額減税」があるので、6月頃に市町村からくる住民税の明細でご確認ください。
関連 住宅ローン控除の還付金はいつ振り込まれる?思ったより少ない理由は住民税にあり!
内容を確認して、良ければ右下の「次へ」を選びましょう。
基本情報の入力
最後に確定申告に必要な基本情報を入力します。
▼住民税等に関する事項の入力
次のいずれかに該当するものがあれば「住民税に関する事項」をクリックして入力します。なければ「入力終了(次へ)」を選びます。
- 給与・公的年金等に係る所得以外の所得がある方の住民税の徴収方法の選択
- 16歳未満の扶養親族がいる方の入力項目
- 退職所得のある配偶者・親族がいる方の入力項目
- 別居の配偶者・親族がいる方の入力項目
該当しそうな方がいるのは、16歳未満の子どもがいる場合に入力する2番目の項目くらいでしょうか。
▼住所・氏名等の入力
還付口座の情報を入力します。
例えば「ゆうちょ銀行以外の銀行等へ振込み」をする場合は下記の画面が出ます。
郵便番号・住所を入力します。
申告書を提出する税務署は、住所から自動的に入力されます。
※「提出年月日」「整理番号」は空欄でも構いません。
氏名・性別・電話番号・世帯主の氏名と続柄を入力します。
右下の「次に進む>」を選びます。
▼マイナンバーの入力
個人番号カード(マイナンバーカード)または通知カードにある12桁の数字を入力します。
これで基本情報の入力は完了です。
確定申告書の印刷方法
いよいよ確定申告書の印刷です。
チェックはそのままでOKなので、下の「帳票表示・印刷」を選ぶとPDFファイルが出力されます。
※令和4年分から、第一表の「A」と「B」の区別はなくなりました。
※今回は医療費控除を受ける前提のため、「医療費控除の明細書」も出ています。
(1) 確定申告書 第一表
【税務署に提出】
これがいわゆる確定申告書として1番有名で大事な書類です。
※確定申告書に押印は不要です。
右上の34欄「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」と右真ん中の52欄「還付される税金」に金額が記載されているか確認しましょう。
医療費控除やふるさと納税をした方は、左下27欄・28欄に金額が記載されているかも確認しましょう。
※ふるさと納税をしている場合は28欄「寄附金控除」に金額(寄付額から2,000円を引いた金額。今回は3万円寄付のため28,000円に)が記載されているかも確認しましょう。
(2) 添付書類台紙
【税務署に提出】
次に「添付書類台紙」があり、ここに
- マイナンバーに関する書類(コピー)
を貼ります。
※源泉徴収票は提出不要です。
(3) 確定申告書 第二表
第二表は「所得の内訳」や「控除」の内容について書かれている書類です。
【税務署に提出】
住宅ローン控除の場合は「特例適用条文等」の欄に居住開始年月日が記載されます。
今回は「認定長期優良住宅」の前提で「(認)」と書かれていますが、他の言葉が入っていることもあります。
※ふるさと納税を受ける場合は
- 「寄附金控除に関する事項」
- 「住民税・事業税に関する事項」の「都道府県、市区町村分への寄附(特例控除対象))
も記載があるか確認しましょう。
(4) 住宅ローン控除の計算明細書
住宅ローン控除の場合、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」が複数出力されます。
すべて提出が必要です。
▼一面
1番下の「10控除証明書の交付を要しない場合」の「要しない」は空欄になっているか確認しましょう。
「〇」がついていると次の年末調整で住宅ローン控除を行う用紙が届かなくて困ってしまいます。
何もない(空欄)が正解です。
▼二面
▼(付表)連帯債務がある場合の住宅借入金等の年末残高の計算明細書
連帯債務の場合に出力されるので、出てきた方は「提出用」を提出します。
※計算内容によって上記以外の書類が出力される場合があります。
「提出用」と書かれたものはすべて提出しましょう。
▼住民税用 一面・二面
一面も二面も市町村が住民税を計算するために使うものなので提出します。
(5) 医療費控除の明細書
医療費控除をする場合は、「医療費控除の明細書」という書類も出てきます。
この書類を税務署に提出します。
一方、医療費の領収書は税務署に提出する必要はありません。
医療費の領収書は5年間の保管が必要となります。
(6) 確定申告書 第一表 控
「第一表」がもう一度出てきますが、これは「控用」です。
【税務署で押印】
これを提出すると、税務署から「収受印(しゅうじゅいん)」という受け取ったことを明らかにする印鑑を押してもらえます。
収受印は本来内容を証明するものではありませんが、多くの場合に内容を確認するものとして使われています。
(例)
- 児童手当の現況確認の証明書類
- 保育料の計算
- 住宅ローンの借換えの審査の際に「所得が証明できるもののコピーをください」と言われたとき
源泉徴収票は、確定申告で内容が変わってしまうので利用できません。
必ず税務署には第一表の「控用」も提出しましょう。
なお、税務署に直接確定申告書を持参する場合には、その場で印鑑を押してもらえます。
郵送で送る場合、必ず自分の氏名・住所を書いた返信用封筒と切手(1枚なので定型郵便物なら84円で十分)も一緒に同封してください。
※国税庁は「令和7年1月」から収受印を廃止します。そのため、紙に押印してもらえるのは今回が最後です。
参考 国税庁「令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて」
(7) その他の書類 控用
「第二表」なども「控用」が出てきますが、第一表以外は提出不要です。
手元に保管しておいてください。
(8) 提出書類等のご案内
「提出書類等のご案内」ではこれまで説明したことも含めて注意点が書かれています(この用紙の提出は不要)。
ふるさと納税を行う場合は「寄附金の受領証明書」の原本も提出しましょう。
※ふるさと納税を行わない場合は、添付書類はありません。
郵送する場合は、右下に郵送先の税務署名・住所も印刷されるので、これを切り取って封筒に貼るだけでOKです。
「**税務署 行」の「行」は横に2重線を引いて「御中」とします。
申告書一式自体を郵送する場合は、マイナンバーがある関係からレターパックがおすすめです。
関連 レターパックライト・プラスならコンビニで!購入・支払方法の注意点まとめ
(9) 別紙 添付書類のご案内
住宅ローン控除は必要書類が多いため、自分が選んだ条件に応じて書類一覧が出てきます。
順番にチェックしながら提出する書類を確実に送りましょう。
なお、
- 原本
- 写し(コピー)
が書類によって異なるためご注意ください。
※住宅・土地の登記事項証明書は「写し(コピー)」の提出でOKです。途中で不動産番号を入力した場合は、提出自体が不要です。
入力データの保存
印刷が終わったら、下記の画面に戻って「次へ進む」をクリックします。
「入力データを保存する」を選ぶと来年の確定申告用にデータを保存できます。
「入力したデータをダウンロード」すると「~.data」という名前のファイルがダウンロードされます。
こで全部終了です。
お疲れさまでした。
以上、住宅ローン控除の確定申告書の作成方法について徹底解説しました。
所得税の還付は、数週間~1か月半で銀行口座に還付されるかと思います。
まとめ
住宅ローン控除に関する記事は、住宅ローン控除のカテゴリに整理していますので、あわせてご確認ください。
あなたの確定申告のお役に立てたら幸いです。
なお、あくまで書き方に関する一般的な情報提供を目的としている記事のため、具体的な相談については税理士又は税務署までお願いいたします。
150 件のコメント
はじめまして。
来年住宅ローン控除をするのですが不安でいろいろ調べていました。
こちらの記事とてもわかりやすく、参考になりました!
1点気になる点があり、教えていただけますでしょうか。
連帯債務でわたしも夫も親から贈与を受けました。
わたしが受けた贈与の額は【6住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けていますか?】のところで入力すると思うのですが、夫が受けた贈与の額はどこか入力するところがあるのでしょうか?それとも自己資金として入力するのでしょうか?
自己資金だと夫婦間贈与になってしまわないかなと思いまして。。
ゆうさん
こんにちは。neronaです。
この点、書かれているものが見つかりませんでしたが、おそらく「夫が贈与の特例でもらった金額」は「夫の自己資金負担額」に含めて記載することになると考えます。
ちなみに「夫が贈与の特例でもらった金額」は、「夫」が自身の確定申告書を作るときに「贈与を受けた金額の入力」に入力することになります。
というのも、住宅ローンでは
(「家屋・土地等の取得対価の額」×「自分(妻)の持分」)-「自分(妻)が贈与の特例でもらった金額」
と、最初に「自分(妻)の持分」を先にかけ、次に「自分(妻)が贈与の特例でもらった金額」を引いてから、自分(妻)が負担する「住宅ローンの年末残高」と比較しています。
この場合、「夫が贈与の特例でもらった金額」がわからなくても計算できます。
一方、先に「贈与の特例でもらった金額」を引いて、次に「自分(妻)の持分」をかける順番だと、
(「家屋・土地等の取得対価の額」-「妻+夫が贈与の特例でもらった金額」)×「自分(妻)の持分」
と、夫婦の合計額がわからないと計算できません(しかしそうはなっていません)。
そのため、夫の贈与の特例でもらった金額をあえて入力する欄はないと思われます。
ただ、素直に入力した結果、「共有持分」と「資金の負担割合」が合わないがどうしたらいいか(贈与の可能性があるかどうか)については、入力方法とは別の問題で、「そもそも共有持分は資金のことを考えて決めたのか?」など、具体的な金額を伴う相談となってしまい、残念ながら私の方では回答できません。
以上、自分がわかる範囲で一般的な回答をしてみました。ご不安でしたら税理士または税務署にあらかじめ確認されることをおすすめします。
丁寧なご回答ありがとうございます!!
とてもわかりやすかったです。
また、補助金がある場合は
(「家屋・土地等の取得対価の額」×「自分(妻)の持分」)-「自分(妻)が贈与の特例でもらった金額」
のどこで補助金の額を引くのでしょうか。
補助金は
「家屋・土地等の取得対価の額」-「補助金」
ですね。
(1) 「家屋・土地等の取得対価の額」-「補助金」
(2) (1)×「共有持分」
(3) (2)-「贈与の特例でもらった金額」
の順番になります。
※追記
このため、もし同じ補助金を妻と夫でそれぞれ別々にもらう場合は、「もらった金額」ではなく、「もらった金額共有持分で割り戻した金額」を入力するようです。
参考:補助金の入力(共有持分がある方)
https://www.keisan.nta.go.jp/r5yokuaru/ocat2/ocat23/cid703.html
この度、住宅ローン控除の確定申告書を作成にあたり、我が家も連帯債務で借りてますのでこちらの記事を参考に作成させていただきました。とてもわかりやすく、ありがとうございます。
一つ質問ですが、我が家の場合
奥さんが今、育休中でして令和4年度は収入0で会社からも源泉徴収票をもらえてないのですが、この度一緒に作成し、提出することにしました。
その場合に最初の作成ページにて
源泉徴収票は1枚のみですか?
の質問はいいえで作成したらいいですか??
もし
>ゆぴさん
おはようございます。neronaです^^
お読みいただきありがとうございます。
源泉徴収票を「はい」にすると強制的に源泉徴収票の入力画面になるので
給与以外に申告する収入はありますか? → いいえ
お持ちの源泉徴収票は1枚のみですか? → いいえ
税務署から予定納税額の通知を受けていますか? → いいえ
で「次へ進む」にしていただければよろしいかと思います^^
ほんとうに、わかりやすく丁寧に
説明していただきありがとうございます、、泣
たくさんの人にも読んでもらえれるように
こちらの記事をオススメ致します!!
>ゆぴさん
こちらこそ、ありがとうございます^^
今後もコツコツと情報を更新しながらお得な情報をお届けしたいと思います。